小説感想
- 作者: 冬樹忍,魚
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2007/06/30
- メディア: 文庫
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著者(冬樹忍)、イラスト(魚)
というわけで、第1回ノベルジャパン大賞の大賞作品である、冬樹忍の「たま◇なま」の第1巻(多分)
表紙などの印象から、もっとベタなラブコメもんかと思っていたのだが、意外にや暗い背景に重いテーマなども内包されていたのは、ちょっと驚いた。
正直、その「暗さ」や「重さ」が陰々とした雰囲気を作ってはいたのだけど、それとは逆に死生観や漫才を絡めつつの透と由宇の軽妙な会話やら、疾走感ある文章表現やらはテンポも良く、バランスとしてはなかなかに良かった・・ちょっと、滝本竜彦な感じかな。
なにより、ヒロインキャラである由宇が、お約束のツンデレ風味な傲岸不遜なロリっ子でもあり、萌えキャラとしての伸びしろがありそうなのが良いね・・つうか、好みだ(笑)
とはいえ構成的には難もあり・・なんと言っても、いきなり「三カ月間の空白」があっての急展開は色々とはしょり過ぎにも感じ、「流れ」が唐突に思えた。
まあ確かに、あそこにエピソード入れると長くはなりそうなんだけども、由宇がいきなり「デレ期」に入ってたり、透が部活になじみ過ぎてるとことかはやはり違和感を感じたなあ。
あと、サブタイトルである「生物は、何故死なない?」に関しての一応の結論を出してる辺りは良かったのだが、物語としてはまだ完結をしてないのは気になるところではあったな。
まあ、大賞もんのお約束として、デビュー作が連載シリーズになるのはよくあることではあるし、その辺の「落とし」は続刊に期待するかな。
ってなわけで、まだプロローグという感じの内容ではあったわけだが、今後さらに化けそうな感じでもあるので、あるであろう続刊を楽しみにしたい。