小説感想

神曲奏界ポリフォニカ(赤) 第1巻「ウェィワード・クリムゾン」4(70点)
著者(榊一郎)、イラスト(神奈月昇

というわけで、「キネティックノベル」を始まりとして、「シェアードワールド」としても展開し、でもってアニメ化までも決定した「神曲奏界ポリフォニカ」シリーズの文庫第1巻。
アニメ放映ももうすぐということで、予習のためにも読む。
いやまあ、実は始祖であった「キネティクノベル」の方も文庫の方も、発売当初に買ってはいたんだけども・・いつもながらに後手後手に。
まあそれはそれとして、アニメの方はこの「クリムゾン(赤)」シリーズが基本で作られるようなので、やっぱ読むならコレからだよなあ。
で、内容としては・・「音楽」と「精霊」というファンタジックなアイデアを基本軸として、「ボーイミーツガール」に「マスタースレイブ」でもって「ツンデレヒロイン」というライトノベル的にはお約束なネタを盛り込みつつ、ベタではあるがわかりやすくもあり、なかなかに面白かった。
流石に、色々手広く活動していて「軽小説屋」と名乗っている榊一郎だけあってか、文章も構成もこなれていてテンポもよく、ソツない感じであった。
絵師の神奈月昇のイラストもほどよく今風の綺麗で可愛い絵柄で非常にキャッチーさがあり、「ツンデレ」搭載のコーティの傲岸不遜な可憐さが出ていてなかなかによい。
しかし「社会人編」でもある文庫版は、前日譚である「キネティックノベル」の「学生編」を元にしているためか、「過去の話」などがチョクチョク出てきていたりして、その辺ちょっと置いてけぼり感があり、ちょっと設定などがわかりにくい感じはあったなあ。
やはり、「キネティックノベル」の方もちゃんと読んだ方がいいのだろうな・・でも、文庫に比べるとでパソコンでガシガシ字を読むのって若干敷居が高いんだよなあ・・。
あと、ネタが音楽だけあってか、様々な楽器やらが出てくるわけだけども、やはり文章で演奏シーンを迫力あるものにするってのは流石に無理な感じがあったなあ。
その辺、音や映像で表現できるアニメがどうなるかは楽しみではある。
まあそんなわけで、今時あんまない「シェアードワールド」として展開していくようでもあり気にもなるので、ちょこちょこシリーズを追っていきたいところだ。