小説感想

涼宮ハルヒシリーズ 第6巻「涼宮ハルヒの動揺」3(50点)
著者(谷川流)、イラスト(いとうのいぢ

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)

というわけで今巻は、「涼宮ハルヒ」シリーズの第6巻で、5巻に続き今回も短編集。
つうわけで、それぞれ感想。

・「ライブアライブ」3
文化祭の日の話で、ハルヒの意外な側面が見れる話。
こういうハルヒも悪くないと思う話であった。


・「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」3
あのトンデモ映画がついに文章化。
その超トンデモぶりに、超脚本ぶりはなかなかに笑えた。

・「ヒトメボレLOVER」3
長門キョンのかつての同級生に惚れられる話。
中編で長いわりには、あまり面白みのない話ではあった。
まあすべては長門の「……少しだけ」にかかっていた話であった。

・「猫はどこに行った?」3
雪山でのミステリーゲーム話。
ハルヒ鶴屋さんのコンビは、明るく華があり以外にいいなと感じた話であった。

・「朝比奈みくるの憂鬱」3
朝比奈さんの苦悩と葛藤の話。
朝比奈さんは頑張ってると思います、それでいいと思いますって話であった。

ってな感じで、ハルヒ長門、古泉、朝比奈さんと、それぞれのキャラ話も交えてバランスもいい感じではあったが、どうもどれも蛇足で余談という感じであり、短編集にしてはあんまり盛り上がらなかった感じであった。
まあ、次の長編に期待したいところ。
そういや、今巻からは表紙のイラストは、キャラのアップという感じで行くようである。
古泉やキョンなんかの野郎には要はないってことか・・まあ英断だな(笑)



涼宮ハルヒシリーズ 第7巻「涼宮ハルヒの陰謀」4(65点)
著者(谷川流)、イラスト(いとうのいぢ

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

というわけで今巻は、年末からの懸案事項を無事こなした2月、キョンの元に8日後の未来からやってきたという朝比奈さんが現れるって話。

第4巻の「消失」から2巻分の短編集を挟んでの久々の長編。
今巻は「消失」の時の時間移動とはまた違った「時間ネタ」であり、今度は8日後の未来からやって来た朝比奈さんと共に、謎のイベントをこなしていくって話。
うむ、なかなか面白かった。
まずは、かなり長い感じとなったプロローグであるが、これは傑作話「消失」の時の話の後日談であり、あの「時空改変」の時の話が描かれるわけではあるが、正直期待してたよりはあっさ気味であり、少々物足りない感じだったかな。
まあ事後処理なわけではあるから、こんなものと言えばこんなものなのかもしれないが・・ちと残念であった。
で本編の方はというと、文庫の分厚さにたがわぬ長めの話であるためか少々ダレ気味ではあったのだが、次々と「時間もの」的な謎や秘密がでてきたり、「現れた敵」が色々でてきたりと、数々の引っ張りどころがあり「ミステリー」のような展開となっていて、意外に飽きずに楽しめた。
どうやら「新たなる始まり」っつう雰囲気も出てきており、今後の展開に期待が持てる感じであった。
前巻の朝比奈さんの話のフォローも出ていて、朝比奈さんの存在意義は「時空修正」という未来人にとっては重要な役割であり、「消失」が長門の話だとすると、「陰謀」は朝比奈さんの話ってところだったな。
朝比奈さん、ちゃんと役に立ってて良かったです(笑)
あと、やはり鶴屋さんはただものではなかったわけで、まだその正体は不明なわけではあるが、まあその辺は今後明らかにされることであろう。
で、「時空修正」を行う謎のイベントの数々や、「現れた敵」という感じの新展開もなかなかに良かったわけではあるが、そんなキョンを中心とした「非日常」の面白さとは別に、やはりこの作品はハルヒを中心としたSOS団の「日常」を見るのもその楽しさのひとつではあるのだと感じた。
まあ少々アレではあるが、SOS団の活動は「学園生活」のそれであり、「あの時代」をとっくに過去のものとしてしまった自分としては、SOS団の活動は部活動のそれであり、哀愁と共に懐かしさを感じ、非常に感慨深い・・ああ、あの時君は若かった・・。
SOS団って楽しそうだよなあ・・俺も交じりたい。
ってな感じで、そんなハルヒを中心としたSOS団の活動が、あの5人の「共同体」としての一体感を高めて行き、無敵の絆と強さを持ちつつあつのは非常に心地よく、爽快である。
願わくば、SOS団に幸あらんことを・・ってなことで以下次巻。
あ・・そういや、お約束のように最近のラノベブーム流れで「涼宮ハルヒ」シリーズもアニメ化が決定したようで、期待半分不安半分。
この作品は、キョンのモノローグがその面白さの半分でもあるわけだし、まあその辺どういう感じで表現してくれるのか・・一応期待したいところ。