映画

◆映画「けいおん!
劇場版ということでどうなることかと思ったが、良くも悪くもいつもの「けいおん!」であり、ちょっと安心した。
映画というよりは、TV版のスペシャルといった感じの雰囲気で、基本的にはTV版の延長線上の作り。
修学旅行の京都の時とさほど変わりなく、卒業旅行のロンドンでも、いつものゆるゆるな5人が描かれ、非常にほのぼの。
そのゆるゆるでほのぼのないつもの雰囲気の中で描かれている内容は、もうひとつの最終回であり、卒業式に梓のために歌われた『天使にふれたよ!』の裏話。
TV版は卒業する先輩を見送る梓たち後輩の視点で描かれていたわけであるが、映画版は卒業する先輩達4人組の視点から描かれており、あの「卒業」を補完してより強固にする内容。
後輩が先輩から「贈られる」という視点から、先輩から後輩へ「贈る」という視点とすることで、あの感動が倍増する辺りの構図作りは、ただただ上手い。
色々とTV版とかからもネタをいくつか拾ってきている辺りもこれまた上手くて、京アニらしいロンドンの情景描写なども美麗であり、ファンなら納得の内容。
とはいえ、TV版の延長線上の補完の物語であるがゆえに、劇場版的スケール感が足りなかったり、あのゆるゆるが冗長に感じたり、ファン以外だと感動はワンランク下がったりするのは、まあファンムービーがゆえに仕方がないところではあるか。
でもできれば、最後のあのぶつ切り的な「おしまい」ぐらいは、映画的にもうちょっと盛り上げて落としても良かったかもしれない。