小説感想

助けて秋吉君! 関野帆乃佳の場合 (HJ文庫)

◆助けて秋吉くん！　第１巻「関野帆乃佳の場合」５５点
著者（不破悠）、イラスト（超肉）

というわけで、現役女子高生作家らしい不破悠のデビュー作である「助けて秋吉くん！」の１巻。
なんていうか、ちょっと平板な感じの印象であった。
文章的にも展開的にも結構淡々としすぎてる感じがあり、かなりまったり気味。
正直、もうちょっとメリハリやドタバタを加えたテンポが欲しかったかな。
ネタとしても、「未来から幽霊が助けを求めに来る」という骨子は良かったのだが、そのネタの広げ方がいまいち中途半端で、もうひと工夫＆ひとひねりがあっても良かったように思う。
あと、犯人の正体うんぬんもベタな展開とはいえちょっと強引に感じたし、ホビージャパン絡みのゆえんなのか、「グレンダム」絡みのネタがくどすぎたようにも感じた。
とはいえ、エピローグのほのか（霊）が最後の別れをつげる辺りのくだりは綺麗に切なく締めていて、読後感が良いのは素晴らしかったと思う。
とりあえず、超肉さんのイラストはやはり好みだったりもするわけで、続刊は読んでみたいところ。