映画感想

◆映画「DEATH NOTE デスノート 前編」(70点)
http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote/
解説: 「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートするやいなや、衝撃的なストーリーが話題となった大人気コミックを実写映画化。書き込んだ名前の人間に死をもたらすことができる不思議なノート“デスノート”を所有する夜神月(ヤガミライト)の暗躍が描かれる。監督は『あずみ2 Death or Love』の金子修介。主人公・夜神月を『バトル・ロワイアル』の藤原竜也が演じる。緊迫した展開が終始続く、サスペンスフルな世界観が見どころ。

ストーリー: 「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」と記されたノートを拾った夜神月藤原竜也)は、興味本位で他人の名前をノートに書き込んでしまう。その名前の人間の死を目の当たりにし、最初は恐怖を覚えた月だったが、やがて理想的な世の中を作るべく凶悪犯たちの名前を次々とノートに書き始める。

製作年度 2006年
製作国・地域 日本
上映時間 126分
監督 金子修介
製作総指揮 −
原作 大場つぐみ小畑健
脚本 大石哲也
音楽 川井憲次
出演もしくは声の出演 藤原竜也松山ケンイチ瀬戸朝香香椎由宇細川茂樹


うむ、なかなか面白かった。
自分は、原作も読んでいて好きな漫画ではあるのだが、映画版は漫画ほどでは無論ないのだが、なかなか良かった。
正直映画版の月(ライト)は、漫画版の小畑健による圧倒的画力と怒涛のモノローグ(心象描写)による「後押し」がないせいか、どうにも鋭利さや知性に欠ける部分があり、あのカリスマ性がなくてちと凡庸で薄い感じになってしまっていたのではあったが、それがゆえに感情移入度は高くなり、映画という短いシークエンスでの媒体にはちょうどいい「劣化度」にはなったのではないかと思う。
物語の方も、基本的には原作の要点を抑えつつ進み、細かい部分は端折られたりはしているものの、「流れ」としてはそれほどおかしくもなく(小さいツッコミどころはちょこちょこあるんだけど・・)、緊張感を保ちつつテンポよくサクサク進むので、サスペンスな雰囲気をなかなか楽しめて良かったし、わかりやすく事態が展開していくので原作が未読な人には優しい作りになっていたのではないかと思う。
特に、原作とは違う冒頭の「デスノート」による大量殺人の描写は映画ならではの緊迫感があり、引き込み方としてはなかなか良く面白かった。
あと、オリジナルキャラである詩織とちょっとお馬鹿になって悲しくもあったナオミによる、あの最後の怒涛のオリジナル展開は、原作既読者にはなかなかに驚かせる展開となっていて、月の冷徹さもみせつける良い落とし方であった。
キャストの方も、月とか親父とかはそうでもなかったんだが、Lとワタリの再現度はなかなか高くて似ていたのも良かった・・あとCGリュークも(笑)
つうか、妹の粧裕はマジ可愛くて雰囲気出ていた・・ミサミサはまあ、あんなもんだろうけど(笑)
とりあえず、あの傑作たる原作とつき比べると見劣りするものが色々出てくる映画ではあったが、テンポやバランス自体は悪くなくわかりやすくなかなか楽しめたので、後編は見に行きたいと思う。