漫画感想
◆ブギーポップ・デュアル 負け犬たちのサーカス 全2巻5
原案(上遠野浩平)、作画(高野真之)
ブギーポップ・デュアル―負け犬たちのサーカス (1) (Dengeki comics)
- 作者: 高野真之,上遠野浩平
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2000/04
- メディア: コミック
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ブギーポップ・デュアル―負け犬たちのサーカス (2) (Dengeki comics)
- 作者: 高野 真之,上遠野 浩平
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2000
- メディア: コミック
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というわけで、これはあの小説の「ブギーポップは笑わない」のコミカライズである。
でも普通によくある原作の出来の悪いデッドコピーとしてのコミカライズではなく、ブギーポップワールドのもうひとつの話として描かれている。
正直、上手い。
こういうコミカライズは、たいてい原作の持ち味などを全く表現できないでいることが多いんだけど、これは原作の持ち味や雰囲気を上手く出していて非常に良い。
似せてるのか、元からそうなのかはわからないけど、原作のイラストである緒方剛志の絵柄の雰囲気を上手く出していて、構図やコマ割りなんかも非常に緻密で、原作のように過去と現在が交錯していたりしてる話の構成も上手い。
特に2巻の、ガス爆発のシーンの「遅かったな」という、あの五十嵐と加納の二人がすれ違うシーンで、見開きを使って、現在と10年前の過去が交錯するところが非常に良い。
緒方剛志も「笑わない」のコミカライズをしているが、イラストの上手さはどうか知らないが、漫画の描き方でいうならこの高野真之の方が遥かに上手い。
この人の他の作品はよく知らないのだが、彼のオリジナルの作品を読んでみたいね。
残念ながらこの「デュアル」はたった2巻で終わりで、ホントはあと1、2巻は見たい気はするが話的には完結してるから仕方ないか。
にしても、この話を「正伝」だとすると、ブギーは他にもこうやって宮下藤花以外の「可能性のある者」に取り憑いて戦っていたりするのだろうか?
その辺気になるね。
まあともかく、なかなかの良品で良い感じであった