小説感想

◆紅牙のルビーウルフ第1巻「盗賊娘はお国のために」4(65点)
著者(淡路帆希)、イラスト(椎名優

あたしは盗賊、狼の娘ルビーウルフだ・・国ひとつ、盗りにかかるぞ野郎ども!!
というわけで、第17回ファンタジア長編小説大賞準入選作品である「紅牙のルビーウルフ」
今巻は、盗賊に拾われ狼に育てられた少女・ルビーウルフは、実は荒廃する王国の王女だったって話。
まあ、なかなか面白かった。
作品解説にもあるように、実に真っ当で正統派な王道ファンタジー
完成度も高く筆力もそこそこあり、安定度の高い手堅い内容で、非常にわかりやすい。
キャラも生き生きとしていて、ストーリーもテンポよく、実に王道。
だがそれゆえに平凡とも感じ、いまいちひねりには欠け、ちょっと物足りなさがあるのも確かだったかな。
でも、若干20歳にしてこの安定感は今後が期待はできそうである・・自分、こういう直球も好きですし。
イラストの方も椎名優という破格の扱いであるし、富士見は結構「押し」ていくのではないかと思われる。
男にも女にも受けやすい椎名優の絵柄にしたのも、どこか少女小説のような雰囲気もあるからだろうし、女の子が感情移入しやすそうな強気な女性キャラクター達やわかりやすい物語に、ちょっとヘタレな美形男性キャラ(笑)と、女の子読者の獲得を狙ってるんではないかと・・。
富士見ファンタジアで女の子受けする作品になりそうだな。
あとあと、作者の淡路さんは、若干20歳の「女性作家」ってのもなんかツボで(笑)、ちょっと
応援したい気分になるのもあるかも・・。
とりあえず、続編はあるだろうと踏んでるので、第1巻はサブタイは応募時のタイトル・・「盗賊娘はお国のために」をつけさせていただきました(笑)
ってなわけで、次回作に期待です。