小説感想

レンタルマギカ 魔法使いVS錬金術師! (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ 魔法使いVS錬金術師! (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ 第2巻「魔法使いVS錬金術師!」(70点)
著者(三田誠)、イラスト(pako)

というわけで、「レンタルマギカ」の第2巻。
今巻の敵は、やはり王道とも言える錬金術師である。
そんな錬金術ギミックを各種練り込むつつもドラマにバトルを綺麗に転がして行く流れは、1巻と同じくオーソドックスなれどもブレがなくて安定度は高く、なかなかに面白かった。
シリーズものならではの過去や謎を入れ込んでの内容もコレまた上手く、続きが読みたくなる感じである。
特に今回一時退場したユーダイクスとラピスの兄妹はなかなかに良いキャラでもあるので、再登場には期待したいところ。
でも、最後の最後はいつきの「妖精眼」が覚醒してドッカーンってパターンはベタとはいえ、ちと飽きる展開ではあるなあ。
あと今回も、ツンデレお嬢様であるアディリシアは美味しいところを取っていて、ヒロインであるはずの穂波の影が薄くなってる感じがあり、1巻でも思っていたのだが、穂波はヒロインとしてはちょっと地味で押しに欠けるところがあるかなあ。
・・なんつうか「ガンダム風」に言うなら(笑)アディリシアはジオングで、穂波はガンキャノンのようなと言うか・・「幼なじみ」はともかく、「眼鏡」に「関西弁」ってのは脇だからこそ光る属性という気がするので・・。
それはそれとして・・どうやら「ザ・スニーカー」の方では文字通りの貸し出し魔法使い業な話の、長編と長編の間をつなぐ短編を連載してるようであり、そのせいか新キャラが増えてたり時間が流れてたりの「空白」があったのは、ちょっと気になったかな。
まあ、雑誌連載を基軸としたバランスとしては悪くないところではあるけども、ちょっと不親切かなとも感じたな。
とりあえず、「空白」を埋めるためにも早めに短編集の方も読みたいところではある。